株式は当日の現物終値、夜間の為替・海外市場は本文に記載した時点です。

半導体ばかりが上がる日が続いたあとで、銀行や大型株まで上がると、「ようやく自分の持ち株にも順番が回ってきた」と感じます。9月25日の日本株は、まさにそんな一日でした。

ただ、同じ日の夜には円高が進みました。そして週明けの月曜日は、9月末配当の権利付き最終日です。今日の買いを支えた理由のうち、いくつかは週明けに外れるかもしれません。

上がった理由が外れても、買いは残るのか。今日はそこを分けて整理します。

今日は「半導体だけ」の日ではなかった

上がった銘柄の数が、指数だけではない改善を示す

日経平均は、株価の高い一部の銘柄(値がさ株)の影響を強く受ける指数です。半導体の数銘柄が上がるだけで、指数全体が大きく動くことがあります。一方、TOPIXは東証プライムの銘柄を幅広く反映します。

今日はこの二つがほぼ同じ率で上がりました。それだけでは幅広い買いとは言い切れませんが、今回は値上がり銘柄が値下がりの約3倍に達し、33業種のうち31業種が上昇しています。指数の数字と、上がった銘柄・業種の数がそろって、半導体の外まで買いが及んだことを示しています。

もちろん半導体の力も大きく、東京エレクトロンとアドバンテストの2銘柄だけで、日経平均の上げ幅の約57%を押し上げました。指数を動かす力は偏ったまま、買われる範囲は広がった。この二つは同時に成り立ちます。

主要指標9月25日の結果
日経平均66,364.20円(+850.21円、+1.30%)
TOPIX4,128.59(+53.29、+1.31%)
グロース250800.55(-7.64)
東証プライム騰落数値上がり1,118/値下がり382/変わらず54
東証プライム売買代金概算7兆8,008億円
東証33業種31業種上昇、2業種下落

指数はトレーダーズ・ウェブ、騰落数と売買代金はみんかぶ16時12分配信、業種数は株探の大引け報道、寄与度はフィスコ・日経平均寄与度で確認しています。騰落数は速報によって差があるため、16時12分配信の集計に統一しました。

小型の成長株までは届いていない

一方で、新興株のグロース250は下落しました。大型株を中心とした改善を、「出遅れている小型株も次は上がる」と読み替えることはできません。

終値は日中の高値のすぐ下で、上昇分をほぼ保って週末を迎えています。売りに押し戻されなかった強さは評価できます。ただし、終値の位置や売買代金だけでは、長く持つつもりの新しい資金が入ったかどうかまでは分かりません。株探・当日の四本値

買いを支えた理由には、期限付きのものがある

銀行高の背景には、期限のない理由と期限のある理由が混ざる

業種の上昇率では、銀行、証券・商品、その他金融が上位に並びました。当日の市場解説は、金融株の背景に長期金利の上昇による利ざや改善への期待を挙げています。利ざやとは、銀行が貸し出す金利と預金に払う金利の差のことで、金利が上がるとこの差が広がりやすくなります。あわせて、相場全体には中間配当の権利取りも支えになったとしています。フィスコ・クロージング

この二つは、性質がまったく違います。利ざやや今後の配当への期待には、決まった期限がありません。一方、今回の配当を受け取るための買いには、はっきりした締め切りがあります。

9月30日を権利確定日とする銘柄は、28日(月)が権利付き最終日、29日(火)が権利落ち日です。今回の配当を受け取るには、28日の取引終了時点で株を持っている必要があります。そのため月末が近づくと、配当の多い銀行株などに買いが入りやすくなります。野村證券・9月末の権利日程

期限があるのは買う側の締め切りで、保有期間ではない

ここで注意したいのは、権利取りで買った人が29日に売るとは限らないことです。期限があるのは今回の配当を受け取るための購入であって、その後の保有期間ではありません。権利を取ったあとも持ち続ける人は多くいます。

「権利取りが終わるから銀行株は下がる」と先回りして決めるのも、今日の上昇がそのまま続くと考えるのも、どちらも早計です。確かめたいのは、この締め切りを過ぎても株を買う理由が残るかどうかです。

なお、国内10年国債の引け利回りは、時刻付きで確定できていません。銀行高を金利の変化だけで説明することはせず、金利への期待と配当日程を、背景の候補として扱います。

夜の円高は、業種によって逆向きに働く

円高は輸出企業に重しだが、同じ夜に株を支える変化も

株式市場が閉まったあと、ドル円は円高方向へ動きました。17時38分配信の158.26円から、20時23分配信では157.63円まで下がっています。背景として、政府の円安けん制発言や原油安、米国債利回りの低下が報じられました。17時38分の為替概況、20時23分の市場概況

円高になると、海外で稼いだ利益を円に換算したときの金額が目減りします。そのため、海外売上の大きい輸出企業には重しになりやすくなります。日中の買いが、円安を前提にした部分を含んでいたなら、その前提は週明けには変わっていることになります。

ただ、同じ夜の変化がすべて株に逆風というわけではありません。原油安は輸入コストへの懸念を和らげます。米10年債利回りが5.15%台へ下がったことも、将来の成長を評価される銘柄にとっては支えになり得ます。円高の一点だけで、日本株全体の方向を決めないことが大切です。

20時30分の時点は米国株の通常取引が始まる前で、今夜の米国株がどう引けるかはまだ分かりません。日経先物の夜間取引とPTS(取引所が閉まったあとの私設取引)は、価格と時刻をそろえて確認できなかったため、ここでは扱いません。

月曜は「広がり」、火曜からは「持続力」を見る

28日(月)は、半導体以外が踏みとどまるかを確かめる

週明けは、まず週末の為替と海外市場を確認したうえで、東京市場では次の順番で見ていきます。

  1. 半導体が一服しても、TOPIXと銀行株が踏みとどまるか。 日経平均だけが強い状態に戻らないかを確認します。
  2. 値上がり優勢が後場まで残るか。 寄り付きだけで終わらず、幅広い銘柄が引けまで買われるかを見ます。
  3. 円高の影響が輸出関連だけで収まるか。 他の業種まで売りが広がるなら、全体の買い意欲が弱まっている可能性があります。

この三つが保たれれば、今日の改善を引き続き評価できます。反対に、半導体と銀行がそろって失速し、値下がり銘柄が多くなるなら、広がりが続くという判断はいったん保留します。

ただし、28日はまだ権利付き最終日です。買いが本当に残るかは、29日以降を見ないと分かりません。

29日(火)は、配当落ちの下げと本当の売りを分ける

29日は、配当を受け取る権利がなくなる分、株価が下がって始まりやすい日です。下げ幅の目安は、年間の配当ではなく、1株あたりの今回の配当額です。たとえば株価2,000円で今回の配当が30円なら、30円前後の下げは権利落ちによる調整の範囲です。それを大きく超えて売られるのか、下げたあとに買いが戻るのか。見るのはそこです。

また、証券会社の画面によっては、前日比が前日の終値との比較なのか、権利落ちを調整した基準値との比較なのかが異なります。赤字の数字だけで判断せず、何と比べた数字なのかを一度確かめてください。野村證券・権利落ち日の表示

今日の850円高は、買いの範囲が広がったという意味で前向きな変化です。ただ、その買いを支えた理由のうち、円安と今回の権利取りは週明けに外れる可能性があります。月曜は広がりが残るか、火曜からは権利取りを終えても買いが残るか。上がった理由を一つずつ分けておけば、翌日の値動きに振り回されず、必要な部分だけ判断を変えられます。

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ABC Ledger 編集部
暗号資産・AI・米国株を、資金フローや需給、マクロ環境から分析するABC Ledger編集部です。ETFフロー、Funding Rate、Open Interest、現物CVDなどを組み合わせ、市場の背景を分かりやすく整理しています。

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