BTCは6.2万ドル台へ下落しましたが、7月13日のニュースを並べると、値下がりだけでは見えない変化も出ています。長期保有者は12日間の売却を止め、2日間で5,912 BTCを純追加。米国の現物BTC ETFも8週連続の流出後、週次で約1.97億ドルの流入に転じました。

ただし、反発の土台が十分に整ったとはまだ言えません。韓国主要5取引所の週間出来高は6月初旬比で43.5%減少し、Coinbase Premiumは改善しているもののマイナス圏、ステーブルコイン供給も7日間でほぼ横ばいです。現物側には小さな改善が出る一方、先物では価格下落中にOpen Interestが増えています。

この記事では、買い手の変化が本物か、ETHやアルトへ資金が広がる条件は何か、そしてBTCがどの価格帯を抜ければ見方を変えられるのかを整理します。

主要指標

2026年7月13日

指標現在の状況見方
BTC価格約62,700ドル24時間で約2%下落。62,000ドル台を維持できるかが焦点
ETH価格約1,780ドルBTCと同程度の下落だが、ETH/BTCは0.028台
Fear & Greed Index28/Fear前日の26から改善したものの、慎重な地合い
BTC Funding Rate平均+0.009%前後ロング優位だが、過熱と呼ぶほどではない
BTC Open Interest約214億ドル、24時間+約1.8%価格下落中に未決済建玉が増加
BTC清算額約5,560万ドルロング清算が中心で、下落時の偏りを確認
BTC ETFフロー7月10日+9,040万ドル、週間+1.974億ドル8週連続流出後の週次流入転換
ETH ETFフロー7月10日+1,840万ドル、週間+8,430万ドルETHにも資金流入。ただし日ごとの振れは大きい
ステーブルコイン供給約3,123億ドル、7日+0.05%市場全体の待機資金はほぼ横ばい
Coinbase Premium−0.062付近まで改善との報道米国需要は回復方向だが、まだマイナス圏
90日Spot Taker CVD現物買い圧力は弱まる方向ETF流入だけで現物主導と断定しにくい

出典:CoinalyzeAlternative.meFarside Investors・BTC ETFFarside Investors・ETH ETFDefiLlamaCryptoQuant

1.BTCに戻ったのは、まだ「市場全体の熱気」ではない

長期保有者とETFが同時に買いへ転じた

7月13日の記事で最も注目したいのは、BTCが下落する中で長期保有者が買いへ転じたことです。7月11日と12日の2日間で5,912 BTCを純追加し、12日間続いた売却が止まりました。

同時に、米国の現物BTC ETFは7月10日までの1週間で約1.97億ドルの純流入となりました。8週間続いた流出が止まり、長く保有するウォレットとETFという異なる買い手が同時に動いた点は、単発の価格反発より重要です。

ただし、まだ2日間の変化にすぎません。過去に似た転換後に価格が上昇した例はありますが、今回も同じ動きになるとは限りません。今週以降も長期保有者の純増とETF流入が続くかを確認する必要があります。

関連:ビットコインの長期保有者が買いへ転換

個人売買はむしろ縮小している

韓国主要5取引所の週間取引高は約9兆9,700億ウォンとなり、前週比25.75%減、6月初旬比43.5%減。5週連続で減少しました。

この数字を重ねると、「暗号資産全体に投機資金が戻った」という説明にはなりません。先に買いへ転じたのは、長期保有者とETFです。個人投資家の回転売買が広がる局面とは、買い手の構成が異なります。

関連:韓国の暗号資産取引量、2年ぶり低水準

2.反発の質は、現物改善とレバレッジ増加が混在

ETFは改善、Coinbase Premiumはまだマイナス

ETFフローは明確に改善しました。Coinbase Premiumも深いマイナスから−0.062付近まで戻したと報じられており、米国側の需要は最悪期から安定しつつあります。

ただし、Premiumはまだマイナス圏です。90日Spot Taker CVDも現物買い圧力の弱まりを示しています。今回の下支えを「米国現物の強い買いが全面的に戻った」と評価するのは早いでしょう。

ステーブルコイン総供給も約3,123億ドルで、7日間の増加率は0.05%です。市場全体へ新しい待機資金が大きく流入した形ではありません。ETFの改善は好材料ですが、現物需要の広がりには追加確認が必要です。

価格下落中にOIが増加

BTCのFunding Rateは平均+0.009%前後で、ロング優位ながら極端な過熱ではありません。一方、価格が約2%下落する中でOpen Interestは約1.8%増え、214億ドルまで拡大しました。24時間のBTC清算額は約5,560万ドルです。

これは、下落によってポジションが整理されたというより、新しいポジションが積み上がった状態です。ロング清算が中心だったことを考えると、押し目買いのロングと新規ショートが同時に増えた可能性があります。

この組み合わせでは、価格がレンジを抜けた時に清算が値動きを増幅しやすくなります。ETFが買いを支えても、先物主導で上値を追えば反発は不安定になります。

3.ETHと日本のオンチェーン金融は一歩進んだ

ETH/BTCは0.028台、アルト指数は58

ETH/BTCは一時0.02858まで上昇し、6月以来の抵抗を突破しました。アルトコインシーズン指数も58まで上昇しています。

ただし、本格的なアルトシーズンの目安は75であり、韓国の取引高は減少中です。今週は総額6.6億ドル超のトークンアンロックも予定されています。

現段階では、BTC以外へ資金が動く兆候が一歩進んだと整理するのが自然です。ETH/BTCが0.0285を定着させ、アルト指数が75方向へ伸び、個別銘柄の新規供給を吸収できるかが次の確認点になります。

関連:ETH/BTCの上抜け7月第3週のトークンアンロック

SBI×SolanaとStartaleは「使い道」の話へ進んだ

SBIホールディングスとSolana Foundationは、日本発のオンチェーン金融市場を構築するための提携を発表しました。対象は円連動型ステーブルコインだけでなく、社債、CP、投資信託、不動産、クロスボーダー決済まで広がっています。

同じ日にStartaleも、企業向けのOnchain Finance Kitsと、Soneium上の資産を日常決済へつなぐセルフカストディ型Visaカードを発表しました。

これまでの日本の動きは、制度整備やステーブルコイン発行という入口の話が中心でした。今回は、何を発行し、どこで流通させ、最終的にどう決済へつなぐかまで具体化しています。短期のSOL価格予想より、中長期ではこの実装範囲の拡大を追う方が重要です。

関連:SBI公式発表Startaleのオンチェーン金融構想

4.昨日までとの差分とBTC価格シナリオ

昨日までとの差分

昨日までの市場では、ETF流出、Coinbase Premiumのマイナス、現物需要の弱さが反発の重しでした。7月13日は、その中でETFが8週ぶりの週次流入へ転じ、長期保有者も買いに回ったことが新しい差分です。

ただし、ステーブルコイン供給とSpot CVDはまだ強い資金流入を示していません。見方は「現物需要が完全に戻った」ではなく、弱かった現物側に最初の改善が出たへ変更する段階です。

AI・半導体株の調整は、これまで続いてきた資金分散の確認材料です。一方、日本のオンチェーン金融は制度や構想から、発行・流通・決済をつなぐ実装の話へ一歩進みました。

BTC価格予想:1週間〜1か月

現在のメインシナリオは、61,800〜65,400ドルのレンジです。日足RSIは47台で中立、ボリンジャーバンドは約58,300〜65,400ドル。まずは直近高値64,300ドルと上側バンドの65,400ドルを超えられるかを確認します。

強気シナリオは、ETF流入と長期保有者の買いが継続し、BTCが65,400ドルを日足で明確に上抜ける場合です。この条件が揃えば66,500ドル、その先は68,500〜70,000ドルが目安になります。ETH/BTCが0.0285を維持できれば、ETHや一部アルトにも資金が広がりやすくなります。

メインシナリオは、61,800〜65,400ドルの往来です。現物側は改善しているものの、Coinbase Premiumはマイナス圏、ステーブルコイン供給は横ばい、OIは増加しています。64,000ドル台では戻り売りと利益確定が出やすく、材料を確認しながら上下する展開を想定します。

弱気シナリオは、61,800ドルを明確に割る場合です。次は60,000ドル、さらに下は58,300〜57,700ドルが支持候補です。

7月14日には米CPIの発表後、ウォーシュFRB議長の下院証言が予定され、翌15日には上院での証言が控えています。インフレ指標が市場予想を上回る、ウォーシュ議長が金利上昇リスクを強調する、ETFが再び流出する、価格下落中もOIが高止まりする、という条件が重なると、ロング清算を伴う下落が起こりやすくなります。

Take-home message

長期保有者とETFは買いへ転じましたが、個人取引、Coinbase Premium、Spot CVD、ステーブルコイン供給を見ると、市場全体へ資金が戻った段階ではありません。

BTCの反発を確認するには、65,400ドルの上抜けだけでなく、ETF流入の継続とOIに偏らない現物需要の増加が必要です。

61,800〜65,400ドルを当面の判断帯とし、上抜けなら68,500〜70,000ドル、下抜けなら60,000〜58,300ドルを条件付きで見ていきます。

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