BTCは6.5万ドル台へ上昇 大口買いとETF流入で反発の中身は変わったのか
BTCは約65,280ドルまで上昇し、これまで上値を抑えていた64,500ドル付近を突破しました。
前日は、CPI鈍化をきっかけにショートポジションが清算され、Open Interestが減少する中でBTCが反発しました。今回はそこからさらに価格が上昇し、Open Interestも増加。米現物BTC ETFも再び流入へ転じています。
反発の中身は、昨日より一段改善しました。
ただし、市場全体の取引量やETF取引高は低水準にあり、Coinbase Premiumもまだ明確なプラス圏へ転換していません。ステーブルコイン供給も30日では減少しています。
その一方で、大口ウォレットは1週間で約1万1,000 BTCを追加しました。
現在の市場は、参加者全体が戻った相場というより、大口と一部の資金が先に動き始め、その後を市場全体が追うか確認している段階と考えるのが自然です。
この記事では、ETF、Funding Rate、Open Interest、清算、ステーブルコイン供給を使って反発の質を確認し、BTCが次に6万6,000ドル台を超えるための条件を整理します。
主要指標
2026年7月15日
| 指標 | 現在の状況 | 見方 |
|---|---|---|
| BTC価格 | 約65,280ドル | 64,500ドルの抵抗を突破 |
| ETH価格 | 約1,937ドル | BTCを上回る上昇 |
| ETH/BTC | 約0.02965 | 0.03に接近 |
| Fear & Greed Index | 25/Extreme Fear | センチメントはまだ弱い |
| BTC Funding Rate | 約+0.0094% | ロング優位だが過熱は限定的 |
| BTC Open Interest | 約216億ドル、24時間+3.27% | 上昇と同時にポジション増加 |
| BTC清算額 | 約6,170万ドル | 約95%がショート清算 |
| BTC現物ETF | 7月14日+1億8,110万ドル | 前日の大幅流出から流入へ反転 |
| ETH現物ETF | 7月14日+5,830万ドル | ETHにも資金流入 |
| ステーブルコイン供給 | 約3,100億ドル | 7日−0.11%、30日−1.39% |
| Coinbase Premium | 改善方向だがマイナス圏 | 米国現物需要は回復途上 |
数値出典:Coinalyze、Alternative.me、Farside Investors、DefiLlama
1.BTCは上昇したが、参加者全体はまだ戻っていない
64,500ドルの抵抗を突破
BTCは約65,280ドルまで上昇し、6月中旬以降の抵抗だった64,500ドル付近を突破しました。
次に意識されるのは、66,086ドル付近のテクニカル抵抗と、66,898ドル付近の供給帯です。
価格だけを見れば、反発は前日より一段進みました。
ただし、6万6,000ドル台には過去に多くのBTCが売買された価格帯があり、利益確定や戻り売りが出やすくなります。ここを出来高を伴って突破できるかが次の焦点です。
ETFと市場全体の取引量はまだ低い
米現物BTC ETFは7月14日に1億8,110万ドルの流入へ転じました。
一方、ETF市場の取引高はピークから約78%減少していると報告されています。
暗号資産全体のソーシャルボリュームも約2年ぶりの低水準で、市場全体の取引量も低迷しています。
つまり、BTC価格は上昇していますが、個人投資家や広い市場参加者が一斉に戻った相場ではありません。
大口は1週間で約1万1,000 BTCを追加
その一方、10〜1万BTCを保有する大型ウォレットは、過去1週間で約1万1,000 BTCを追加したと報告されています。
参加者が少ない市場では、大口の買いでも価格が上がりやすくなります。
ただし、その価格を維持するには、その後にETF、現物、個人投資家など次の買い手が続く必要があります。
2.反発はショートカバーから新規ポジション増加へ
Open Interestの動きが変わった
前日は、BTC価格が上昇する一方でOpen Interestが減少していました。
これはCPI後のショートカバーが中心となり、既存ポジションが整理されながら価格が戻った形です。
今日はBTCがさらに上昇し、Open Interestも24時間で3.27%増加しました。
ショートカバー中心だった反発に、新しいポジションが加わり始めています。
Funding Rateも上昇
Funding Rateは平均約+0.0094%まで上昇しています。
まだ極端な過熱ではありませんが、ロング側へ傾き始めています。
24時間のBTC清算額は約6,170万ドルで、その約95%がショート清算でした。
短期では売りポジションの巻き戻しが上昇を支えています。ただし、今後価格以上にOIとFunding Rateが急増する場合、レバレッジへの依存が再び高まります。
ETF流入で反発の質は改善
7月14日の米現物BTC ETFは1億8,110万ドルの流入となり、前日の約4.3億ドル流出から反転しました。
これは明確な改善です。
ただし、ステーブルコイン総供給は約3,100億ドルで、30日では1.39%減少しています。Coinbase Premiumも改善方向ですが、まだ米国現物買い優勢とは言いにくい状況です。
現在の反発は、ショートカバーだけの上昇から一歩進みましたが、市場全体へ新規資金が広く流れ込んだ状態にはまだ届いていません。
3.インフレ指標は追い風でも、原油とFRBは残るリスク
CPIとPPIは短期的な安心材料
6月CPIは市場予想を下回り、PPIもヘッドラインでは前月比−0.3%となりました。
追加利上げを急ぐ必要があるという警戒が一度弱まり、BTCが6万5,000ドル台まで上昇する追い風になりました。
原油85ドル突破は次の物価リスク
一方、食品・エネルギー・貿易サービスを除くPPIは前年比5.1%と高く、Brent原油も85ドルを突破しています。
現在のCPIやPPIには、足元の原油上昇が十分に反映されていません。
原油高が長引けば、今後のインフレ指標で再び金利警戒が強まる可能性があります。
FRBは物価安定を重視
ウォーシュFRB議長は、2020年の柔軟な平均インフレ目標を批判し、2%の物価安定をより重視する姿勢を示しています。
短期ではインフレ鈍化がBTCの追い風ですが、中期では原油とFRBの反応が再び上値を左右します。
4.ETHとXRPでは利用が価格へどう戻るかが焦点
Robinhood ChainとEthereumの価値捕捉
Robinhood ChainはEthereum上で最終決済を行い、ガスにもETHを利用します。
一方、記事の試算ではRobinhood Chainの収益の89%をRobinhoodが保持し、Ethereumが受け取る決済手数料は約0.15%にとどまりました。
Ethereumが使われることと、その経済価値がETHへ戻ることは同じではありません。
今後L2を見る際には、利用者数だけでなく、手数料や担保需要を通じてETHへどれだけ価値が戻るかが重要です。
RLUSDはXRPLへ移動
Rippleでは、RLUSD供給の57%、約8.71億ドルがXRPL上へ移ったと報告されています。
XRPL上でRLUSDが増えれば、送金手数料、アカウント利用、流動性提供を通じてXRPの利用機会も増えます。
ただし、利用拡大がそのままXRP価格へ反映されるとは限りません。
ETHもXRPも、議論は「使われているか」から、その利用がトークン需要へどれだけ戻るかへ進んでいます。
昨日までとの差分
昨日は、CPI後のBTC反発について、価格上昇と同時にOpen Interestが減少していました。
そのため、反発の中心はショートカバーであり、新しい現物資金が全面的に入ったとは判断できない状況でした。
今日はBTCが64,500ドルの抵抗を突破し、Open Interestは増加。さらに米現物BTC ETFも1億8,110万ドルの流入へ転じました。
ショートカバー中心だった反発に、新しいポジションとETF資金が加わったことが昨日との違いです。
一方、ETF取引高、市場全体の取引量、ステーブルコイン供給、Coinbase Premiumを見ると、参加者全体が戻った状態にはまだ達していません。
昨日より反発の中身は改善しましたが、本格的な資金回帰を確認するには6万6,000ドル台での出来高と現物需要が重要になります。
BTC価格予想|1週間〜1か月
現在のBTCは約65,280ドルです。
次の重要帯は66,086〜66,898ドルです。
強気シナリオ
BTCが65,400ドル以上を維持し、66,900ドル付近の供給帯を出来高を伴って突破する場合です。
その場合は、
68,500ドル → 70,000ドル
が次の目安になります。
さらに7万ドルを定着させ、ETF流入と現物需要が続けば、1週間〜1か月では72,000〜75,000ドルを試す余地が出てきます。
メインシナリオ
現時点では、63,500〜66,900ドルでもみ合う展開を基本に考えます。
BTC ETFは再び流入へ転じ、大口も買い増しています。
一方、ETF取引高は低く、ステーブルコイン供給も減少。6万6,000ドル台の売りを吸収するために、一定の時間が必要になる可能性があります。
弱気シナリオ
BTCが64,500ドルを再び失う場合は、63,500〜63,000ドルが最初の支持候補です。
そこを割ると61,800ドルが重要になります。
61,800ドルも明確に割れれば、
60,000ドル → 58,300ドル前後
まで下値余地が広がります。
OIとFunding Rateだけが急増する、ETFが再び大幅流出する、Coinbase Premiumが悪化する、大口の蓄積が止まる、といった条件が重なる場合は注意が必要です。
Take-home message
BTCは6万5,000ドル台まで上昇し、ETF流入と大口の買い増しも確認され、反発の中身は昨日より一段改善しています。
一方、市場全体の取引量やステーブルコイン供給はまだ弱く、次の上昇には6万6,000ドル台の供給を出来高と現物買いで吸収できるかが重要です。
当面は63,500〜66,900ドルを判断帯とし、上抜けなら68,500〜70,000ドル、その先は72,000〜75,000ドル、下抜けなら61,800ドルを重要な分岐点として見ていきます。
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