ビットコインは一時6万6,800ドルを超えたものの、その後は6万4,000ドル台まで押し戻されました。

7月24日の記事と最新データを組み合わせると、今回の下落はレバレッジの過熱が一気に解消されたというより、現物買いの弱さとETFフローの反転が表面化した動きと考えられます。

Funding Rateは小幅なプラスにとどまり、清算額も市場全体を一掃するほどではありません。一方、現物需要は縮小し、Coinbase Premiumはマイナス圏、ステーブルコイン供給も増えていません。

短期的には6万3,000〜6万4,000ドルを維持できるかが最初の確認点です。中期的な流れを変えるには、6万6,800ドルを超えるだけでなく、6万9,000〜6万9,500ドルを現物買いとともに回復する必要があります。

この記事では、価格が下がったという結果だけでなく、その下落が現物・ETF・デリバティブのどこから生じているのかを整理し、今後1週間〜1か月のBTC価格を条件別に考えます。

※数値は特記のない限り、7月25日3時14分頃(JST)の確認値です。

指標現在の状況見方
BTC価格約64,111ドル日中高値65,717ドル、安値63,703ドル
ETH価格約1,624.95ドルBTCと同様に上値の重い状態
Fear & Greed Index28・Fear前日31から低下、先週27とほぼ同水準
BTC Funding Rate+0.001085%小幅プラスでロング過熱は見られない
BTC Open Interest約490億ドル価格下落後もポジションは大きく残る
暗号資産全体のOI約1,166億ドル24時間で0.53%減少
24時間清算額全体1億8,990万ドルBTCは約8,790万ドル
現物需要・CVD売り優勢方向現物需要は月間約20万BTC縮小
BTC現物ETF7月23日に2億2,510万ドル流出7日連続流入が途切れた
ステーブルコイン供給約3,096億ドル1日・7日・30日の全期間で減少
BTC取引所残高約270.4万BTC7日で0.02%減少、変化は小さい

価格・テクニカルはInvesting.com、心理指数はAlternative.me、デリバティブはCoinGlassを参照しています。

BTC反発の中身を数値で確認する

6万6,800ドルから6万4,100ドルへ反落

BTCは7月の反発で一時6万6,800ドルを超えました。しかし、その後は6万4,100ドル前後まで下落し、50日移動平均線の約6万5,278ドルも再び下回っています。

日足RSIは34.5まで低下しました。短期的には売られすぎに近づいていますが、価格が主要移動平均線を回復できていないため、中期的な下落構造が変わったとは判断しにくい状態です。

一見すると、今回の下落は再び5万8,000ドルへ向かう動きにも見えます。ただし、Funding Rateや清算額を加えると、少し違った読み方ができます。

Fundingと清算は過熱解消を示していない

BTCのFunding Rateは+0.001085%です。ロングがショートへ支払う状態ではありますが、極端な強気ポジションが積み上がっている水準ではありません。

BTCのOpen Interestは約490億ドル、暗号資産全体では約1,166億ドルです。全体のOIは24時間で0.53%減少しましたが、価格下落後も多くのポジションが残っています。

24時間の清算額は市場全体で約1億8,990万ドル、BTCでは約8,790万ドルでした。清算は発生したものの、市場のレバレッジを一掃する規模ではありません。

つまり今回は、大量のロング清算だけで価格が下がったのではなく、現物市場で買い手が不足する中、価格が押し戻された可能性が高いと考えられます。

現物需要とETFフローが反発の弱点

7月24日のオンチェーン分析では、パーペチュアル先物の需要が7月に3万〜5万BTC増加した一方、現物需要は月間約20万BTCのペースで縮小していると報告されました。

先物需要はプラスでも、その規模は4月の約25万BTC増加と比べて5分の1程度です。現物CVDも売り優勢方向にあり、Coinbase Premiumは900時間以上マイナス圏が続いています。

さらに、米国の現物BTC ETFは7月23日に合計2億2,510万ドルの純流出となりました。IBITだけで2億250万ドルが流出しています。Farside Investorsでは7月24日分が未確定のため、ここでは23日の確定値を使用しています。

7日連続の流入が一度途切れたことで、これまで価格を支えていた機関投資家の買いが継続しているとは言いにくくなりました。

価格の外側ではオンチェーン金融が前進

Strategyは保有BTCの「株主取り分」を明示

今回の記事で特に重要だったのが、Strategyによる指標の見直しです。

同社は84万3,775 BTCを保有し、その評価額は記事時点で約580億ドルでした。しかし、貸し手や優先株主に対する約220億ドルの優先請求を差し引くと、一般株主に残る「ネットリザーブ」は約360億ドルとなります。

Strategyの新指標は、BTC保有量だけでは一般株主の価値を正確に測れないことを示しています。利息や配当の年間負担は約18億ドル、株主のBTC価格に対する増幅度は約1.53倍です。

BTCが上昇すれば株主利益も拡大しますが、下落局面ではMSTRの損失がBTC以上に大きくなります。企業によるBTC保有を評価する際は、保有枚数だけでなく、負債・優先株・資金調達コストまで確認する必要が出てきました。

ETHは手数料減少と利用増加が同時進行

ETHでは、ガス代の低下が利用減少を意味するとは限らないことを示す数字が出ています。

Bitwiseの調査を紹介した記事によると、イーサリアムのドル建て手数料収入は前年比51%減少しました。一方、四半期取引件数は1億2,110万件から2億390万件へ増加しています。

ステーキング量も過去最高の4,020万ETHに達し、総供給量の約33%を占めました。

手数料収入の減少は、ネットワークが使われなくなった結果ではなく、ブロックスペースを安く供給できるようになった影響です。ただし、利用増加がそのままETH価格の上昇につながるわけではありません。今後は活動量の増加がETH需要やバーン、ステーキング収益へどうつながるかを確認する必要があります。

SolanaとRLUSDは金融インフラを拡大

Solanaでは、トークン化株式の取引高が1年間で134万ドルから33億2,000万ドルへ増加しました。記事によれば、直近ではクロスチェーン型トークン化株式取引量の95%以上を処理したとされています。

一方、RippleはRLUSDの発行・償還・管理を行うRipple Mintを開始しました。コンプライアンス企業Notabeneへの出資も行い、本人確認や取引承認を組み込んだ機関向け決済を整備しています。

SOLやXRPに直ちに買いが入る材料とは限りませんが、ブロックチェーンが「トークンを発行する場所」から、株式や法定通貨を扱う金融システムへ近づいていることは確認できます。

昨日までとの違い

ETF流入の継続性に変化

昨日までは、7営業日連続で約9億8,120万ドルがBTC ETFへ流入し、6万6,800ドルまでの反発を支えていました。

今日の最新確定値では2億2,510万ドルの流出へ転じ、BTCも6万4,100ドル前後まで下落しています。

変わったのは価格だけではありません。反発を支えていたETF需要が毎日続くという前提が、いったん途切れたことが重要です。市場の焦点は上値をどこまで伸ばせるかから、6万3,000〜6万4,000ドルを維持できるかへ移っています。

制度の議論から運用条件の確認へ

昨日までは市場構造法案や暗号資産企業の参入余地が中心でした。今日は、SECがアクティブ運用型ボールトやレンディングについて証券法上の登録義務を警告し、欧州ではMiCAの完全施行後に利用できる商品やライセンスの違いが具体化しています。

RLUSDも発行機能だけでなく、コンプライアンス確認を組み込む段階へ進みました。

制度整備は市場参加者を増やす可能性がありますが、同時に運営コストや参入条件も引き上げます。今後は「規制ができたか」だけでなく、その規制下で利用者・取引量・収益が実際に増えるかが重要になります。

BTC価格予想:1週間〜1か月の3シナリオ

メインシナリオ:6万1,000〜6万6,800ドル

6万3,000〜6万4,000ドルを維持できれば、50日移動平均線の6万5,300ドル、直近高値の6万6,800ドルを再び試す可能性があります。

ただし、現物需要・ETF・ステーブルコイン供給が弱いため、6万5,000〜6万7,000ドルでは戻り売りが出やすいと考えます。

今後1週間のメインレンジは、6万1,000〜6万6,800ドルです。

強気シナリオ:6万9,500ドル回復から7万6,200ドルへ

強気シナリオには、6万6,800ドルの突破に加え、ETF純流入の再開、Coinbase Premiumのゼロ付近への改善、現物需要の縮小停止が必要です。

条件がそろえば、短期保有者のコスト基準に近い6万9,000〜6万9,500ドルが次の目標になります。

6万9,500ドルを回復して維持できれば、1か月では7万2,000ドル、その先はトゥルー・マーケット・ミーンの7万6,200ドルが候補になります。

弱気シナリオ:6万3,000ドル割れから5万8,000ドル再確認

6万3,000ドルを日足で明確に下回ると、次は6万〜6万1,000ドルが意識されます。

この水準でも現物買いが戻らず、ETF流出が続けば、6月安値に近い5万8,000ドルを再び試す可能性があります。

5万8,000ドルも維持できない場合は、オンチェーン上のリアライズド・プライスである5万2,900ドルが中期的な下値候補です。

Take-home message

  1. BTCの反落はレバレッジの過熱解消だけではなく、現物需要の縮小とETF流出を伴っています。
  2. ETH、Solana、RLUSDでは金融インフラの利用が広がっていますが、短期価格へ反映されるには資金流入の回復が必要です。
  3. 6万3,000〜6万4,000ドルを守れば再反発の余地が残り、6万9,500ドル回復で強気側、6万3,000ドル割れで弱気側へ傾きます。

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