日経平均は4日続落、それでもTOPIXは反発―「指数安=全面安」ではない日本株と、急速な円高の意味
9月3日の日本株は、終値だけを見ると弱い一日でした。日経平均は前日比111.16円安の6万4,214.48円と4日続落し、一時は6万3,772円まで下落しました。
ただし、今日の相場を「日本株がまた売られた」と整理すると、大事な変化を見落とします。
TOPIXは+0.50%。日経平均225銘柄でも値上がり141銘柄に対して値下がり82銘柄でした。昨日の全面安とは、かなり中身が違います。
つまり今日は、一部の値がさ株が指数を押し下げる一方、市場内部では押し目買いが戻り始めた一日でした。
さらに大引け後にはドル円が156円台まで円高方向へ進み、翌日の日本株には新しい条件が加わっています。
この記事では、今日の指数と市場内部のズレ、資金が向かった先、そして円高が明日の日本株にどう影響するかを整理します。
日経平均4日続落でも、市場全体は弱くなかった
朝は399円高、それでも日経平均は失速
日経平均は6万4,724円と、前日比約399円高で始まりました。
前夜の米国株反発を受け、前日に大きく売られた日本株にも買い戻しが入りました。
しかし、その勢いは続きませんでした。
寄り付き後から上げ幅を縮小し、後場には6万4,000円を割り込み、一時は前日比552円安の6万3,772円まで下落。その後は引けにかけて約440円戻し、最終的には111円安で取引を終えました。
東証プライムの売買代金は7兆5,770億円。商いが極端に細る中での値動きではなく、売買が活発なまま方向感を探る一日だったことが分かります。
TOPIXは+0.50%
一方、TOPIXは4,102.04ポイント、前日比+20.44ポイント、+0.50%で終了しました。
日経平均が▲0.17%だったのに対し、TOPIXはしっかりプラスです。
さらに日経平均採用225銘柄でも、
- 値上がり141銘柄
- 値下がり82銘柄
- 変わらず2銘柄
と、値上がり銘柄が大きく上回りました。
「日経平均は4日続落」という数字だけでは、今日の市場全体の実態はかなり見えにくかったと言えます。
ファストリとアドバンテストの影響が大きかった
指数を押し下げた代表が、ファーストリテイリングとアドバンテストです。
この2銘柄だけで日経平均を約255円押し下げました。
日経平均そのものは111円安ですから、仮にこの2銘柄の影響がなければ、指数の印象はまったく違っていました。
今日のような日は、日経平均だけを見て「日本株全体が弱い」と判断すると、地合いを実際より弱く評価してしまいます。
資金は逃げたのではなく、別の場所へ移った
半導体は全面高にならなかった
前夜の米国市場ではAI・半導体関連が反発していました。
それでも日本では、半導体株が一斉に買われたわけではありません。
レーザーテックは4%超上昇した一方、アドバンテストは下落。イビデン、フジクラ、TDKなども日経平均のマイナス寄与上位に入りました。
つまり、
「米ハイテク株高=日本の半導体全面高」
という単純な相場ではありませんでした。
AI・半導体の中でも、銘柄ごとの選別が続いています。
商社へ資金が流入
その一方、明確に資金が向かったのが商社株です。
バークシャー・ハザウェイのグレッグ・アベルCEOによる日本の5大商社への長期保有姿勢が伝わり、三菱商事は4%超、三井物産も3%超上昇しました。
昨日は33業種すべてが下落しました。
今日は日経平均が下がっていても、商社をはじめ複数の業種に買いが戻っています。
ここは大きな違いです。
昨日は「日本株全体からリスクを落とす」動きでした。
今日はそこから一歩進み、日本株の中で買える場所を探す動きへ変化しました。
グロース市場には慎重さが残る
ただし、すべての市場で押し目買いが戻ったわけではありません。
グロース250は776.09ポイント、前日比▲0.18%。
前日の大幅安からは落ち着いたものの、値上がり234銘柄に対して値下がり303銘柄となり、まだ大型株ほど買いは広がっていません。
現時点では、
TOPIX型の大型株には資金が戻った一方、小型成長株まで積極的にリスクを取り直しているわけではない
と見るのが自然です。
大引け後に進んだ156円台の円高
日中とは条件が変わった
そして、明日の日本株を考えるうえで重要な変化が大引け後に出ました。
ドル円です。
夕方以降に円高が進み、156円台までドル安・円高方向へ動きました。
日中の相場では、
値がさ株安
↓
日経平均下落
↓
それでもTOPIXや商社は上昇
という構図でした。
明日はここへ円高という新しい変数が加わります。
日銀の利上げ観測が円買いを後押し
背景には、日銀の金融政策を巡る思惑があります。
高田創審議委員の発言を受け、追加利上げへの警戒が再び強まりました。
日本の金利が上がるとの見方が強くなれば、円は買われやすくなります。
これまで円安が日本の輸出企業や指数の支えになっていた面を考えると、156円台までの円高は、自動車や電機など外需企業には新たな逆風となります。
円高でも全面安になるとは限らない
ただし、
「円高=日本株全面安」
と考えるのも早いでしょう。
今日すでに資金が商社や内需を含む半導体以外へ移っていたからです。
輸出株が売られても、
- 商社
- 金融
- 内需
- 円高メリット業種
などへ資金が移れば、TOPIX型の底堅さは続く可能性があります。
重要なのは円高そのものより、円高を受けて資金がどこから抜け、どこへ向かうかです。
翌営業日は「日経平均」より中身を確認
TOPIX優位が続くか
まず確認したいのは、TOPIXが日経平均より強い状態を維持できるかです。
円高を受けて輸出・値がさ株が売られても、商社や金融、内需へ資金が残れば、今日見えた市場の広がりは維持されます。
逆にTOPIXまで大きく崩れるなら、今日の押し目買いは一時的だった可能性が高まります。
半導体の中で選別が続くか
次に見るのは半導体です。
今日もレーザーテックとアドバンテストでは値動きが分かれました。
「半導体が上がるか」ではなく、
強い銘柄が高値を維持できるか、弱い銘柄にも買いが広がるか
を確認した方が、市場心理を判断しやすくなります。
ドル円156円台への株価反応
そして最大の新材料が為替です。
ドル円が156円台からさらに円高へ進めば、輸出企業には徐々に重しが強まります。
一方、157~158円方向へ戻るなら、今日売られた大型輸出株や値がさ株への買い戻しが入りやすくなります。
為替の数字だけではなく、その為替に株価がどう反応するかまで確認したいところです。
Take-home message
- 日経平均は111円安でも、日本株全体が弱かったわけではありません。
TOPIXは+0.50%、日経平均採用銘柄でも141対82で値上がりが優勢でした。 - 昨日の全面的なリスク回避から、今日は資金の選別と移動へ変化しました。
商社など半導体以外へ買いが戻ったことは、市場内部の改善を示す重要な変化です。 - 明日は156円台まで進んだ円高への反応が焦点です。
日経平均の上げ下げだけでなく、TOPIX、騰落銘柄数、セクター間の資金移動が維持されるかを確認したいところです。
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